ただがむしゃらに
倒れてなるものかと踏みとどまった

戦いが終わった後に大きな怪我がないことを確認する

運が良いと思っていいのかどうか

本陣は問題なく進んでいるだろうか
順調にいくなら
次はより強い敵が複数留まる清盛塚へ進むはず

「あんまり意地はってもしょうがないかあ」

大きく息を一つ吐いて気持ちを切り替える

敵の攻撃が打ち付けられる
気合で何度か耐えるもついに意識を失った

はあ…私何やってるんだろう

大怪我はしていないことを確認したあと
バケツに水を溜めて一気に頭から被る

何度でも立ち上がってみせる
次はもう少しうまく動いてみせる

味方の攻撃で弱っていた頭から羽の生えた不滅の災いの手下を一体切り伏せる
その直後に息をつく間も無く襲う違和感

大昔の妖狐だという抗体ゴーストが光の波を放ち続けている
その光は四肢を麻痺させていく

動かない体
増していく焦燥感
このままでは不味い
なんとかしないと

味方の支援で体の自由が戻った一瞬を突いて肉薄し
目の前の敵へ切りつけるも当たらない
ここで、焦りから前に出すぎてしまったことに気がついた

運がよかったのか、倒れた後は追撃を受けなかったらしい
気がつくとベッドで寝ていた

身体を確かめる
生命賛歌の効果もあり特に大きな怪我は無いようだ
まだ戦える

味方からの支援を受けて得た幻影兵を操り敵へ剣を振るう

一撃
ニ撃

手ごたえはあるのに致命傷を受けているようには見えない

三撃

外れた

乱戦の中、こちらに気付いていないのか
その敵は別の味方へ無造作に攻撃を行う
それを受けた仲間が一人地面に崩れたが、かろうじて踏みとどまりすぐさま味方の回復が飛んでいった

それを見て安心しながらも、焦りを感じる

昔から強い相手と戦うのが好きで
自分より強い相手を探していた
でもそれは私が何も知らなかっただけ

私も強くなりたい


手に持った長剣を強く握りなおし、再び目の前の敵へ向き合う

「幻影兵」の恩恵を受け、味方のアビリティが飛び交う中で手近な妖獣へ切りかかる
その黒影剣の斬撃を受けてソードヴォルフが一体力尽きた

人が多く、流れが早い
距離をとって攻撃できるため比較的安全な場所にはいるのだけども
一瞬でも気を抜くと状況についていけず突き崩されてしまいそうだ

再び、剣を振るい黒影剣をダブルフェイスへ浴びせる
今度は倒れない
しかしその敵も味方の攻撃を受け倒れていく

続けて近くの別の敵へ振り下ろす
今度は手ごたえが悪い
敵の反撃を覚悟したがその相手も味方の攻撃を次々と浴びて倒れていった

今まで経験してきた個人競技とは全く違う
支えられているのを感じる
ならば…
「ここから先へは、通さない！」

私も仲間を守るためにこの剣を振るおう
かつてそうされたように
今まさにそうされているように