ん…っ
急に身体を襲う虚脱感

メガリス破壊効果の生命賛歌の効果が切れたんだと気付いたのはもう少したってからだった

確かにこれはびっくりする
変な声もでちゃうわ…

なんだかまわりが騒々しい
勝ったとか負けたとか、そういう単純なことじゃなくて
「どうしよう」と言う単語が聞こえる

ちょっと前に神戸空港で異形たちへ攻撃した直後にも似たような状態だった気がする
何かあったのだろうか

さすがにすぐにはい終わり、ってのんびりはできないのかなあ…

一先ずおなかすいたし、祝賀会があるらしいのでそこで美味しいものを食べよう
あと早く帰ってお風呂入りたいなぁ

ろくに戦えなかったのは今後の課題
これからもコツコツと自分を高めていきたい

いよいよ最後
ここを制圧出きれば、私たちの勝ちだ

敵の軍勢が現れ剣を構え味方に続いて戦いの中へ身を投じる

序盤の雑兵ならともかく
このあたりの精鋭相手になると私の攻撃はまともにあたることがない

それでも負けるかと狙う相手を探していたら
大きな太陽を模したオブジェみたいなゴーストと目が合った

暑苦しい笑顔を返された
心なしかサムズアップされた気がした

…なんだろう、今までで一番精神的にくる
なんだか泣きたくなってきた

この太陽がその後も味方の攻撃を受けながらちらちらとこっちを見ていたので
その太陽のゴーストが力尽きて消滅するまで目を合わせないようにしながら戦った

うん、なんだかどうでもよくなった

剣を振るう
そのことごとくが避けられる

太刀筋を完全に読まれていた

戦いが終わり曇天の夜空を見上げて大きく息を吸い込む

今ぐだぐだと考えたって何にもならない
考えるのは後にしよう

ここで勝てば一先ずこの戦いの勝ちは見える

（…よし！）
心の中で気合を入れて戦場へ

乱戦の中で余所見をしているダブルフェイスへ一太刀浴びせた
慣れた型から放つ頭部への打撃
相手は確かな手ごたえと共に消滅するが確認する暇も惜しみ立ち位置を戻す
幻影兵の扱いにも慣れてきたと思う

その後も二度ほど攻撃のチャンスがあったがどちらも当たらなかった
相手のほうがずっと手練でなかなか隙を突くことができない

しかし、優勢なのはこちらだった

間もなくこの戦場での戦いは終わるだろう

ただがむしゃらに
倒れてなるものかと踏みとどまった

戦いが終わった後に大きな怪我がないことを確認する

運が良いと思っていいのかどうか

本陣は問題なく進んでいるだろうか
順調にいくなら
次はより強い敵が複数留まる清盛塚へ進むはず

「あんまり意地はってもしょうがないかあ」

大きく息を一つ吐いて気持ちを切り替える